神戸市立森林植物園~あじさい散策~

神戸市立森林植物園のあじさい

梅雨真っ只中の6月下旬、神戸市立森林植物園で開催されている「森の中のあじさい散策」というイベントに参加してきました!

神戸市立森林植物園について

 神戸市立森林植物園は神戸市北区、六甲山地の一角に位置する植物園で園内には約1000種類もの植物があるそうです。梅雨の時期に限らず、四季折々の自然を楽しむことが出来るのが魅力。
 世界の様々な植物を見ることが出来るこちらの園ですが今回は「あじさい」をメインに散策を行いました。

あじさい坂

メインストリートは様々な色のヒメアジサイが咲き誇り、とても綺麗でした。梅雨の晴れ間から差す木漏れ日があじさいの花弁を照らし、さらに繊細に変化する様子はまるで万華鏡の中にいるかのよう

様々な種類のあじさい達

ヒメアジサイ(Hydrangea serrata var. yesoensis forma cuspidata)
・ホンアジサイとエゾアジサイの交雑種と考えられており、手まり形(花の塊が球形になっているもの)の澄んだ青い花をつけ、花房はごつごつした形状に。もちろんヒメアジサイも他のあじさいの例にもれず土壌のpH(酸性度)によって花の色が変わります。酸性の場合は、アルカリ性ならに変化するようです。
 また、六甲山系は土壌の性質により、青いあじさいが他の色よりも多く咲くと言われ、神戸市の市花であることも相まってか「六甲ブルー」と呼ばれ親しまれているそうです。

 ちなみに命名したのは2023年度前期放送のNHK「らんまん」の主人公のモデルにもなった牧野富太郎博士とのこと。

クレナイ(Hydrangea serrata ‘Kurenai)
・ヤマアジサイ系に分類される品種。咲き始めは白色ですが、咲き進むと紅色に変化する美しいあじさい。上品な紅色が本当にきれいで、個人的には一番お気に入りのあじさいです。

ベニガク(Hydrangea macrophylla f.normali)
・ヤマアジサイの変種の1つ。装飾花※1が白から紅色に変化する特徴があります。
 江戸時代から栽培されていて、赤色系のセイヨウアジサイの元になった種だとも言われています。
※1(写真で言うと囲むように咲いているピンクの花びらの部分)

シチダンカ(Hydorangea serrata f. prolifera)
・ヤマアジサイの品種の1つ。装飾花が八重咲で、10数枚のがく片が星形になって重なっているのが特徴。兵庫県の六甲山に自生していて、以前紹介した六甲高山植物園と神戸市立森林植物園で見ることが出来ます。
 江戸時代末にオランダ人医師のシーボルトが彼の自著「日本植物誌」で紹介してから、1959年に六甲山系で再発見されるまでは幻の花という扱いだったそうです。

ベニフウシャ
(Hydrangea serrata f.prolifera ‘Beni-fusha‘)
・ヤマアジサイの品種の1つ。紅風車という名前の由来は装飾花が一重咲きで、花弁が3枚だけついた姿が風車のように見えるためだそうです。日本原産の品種でヤマアジサイ系の中では比較的大型。高さが1.5mほどになることも。

あじさいこぼれ話~シーボルトとあじさい~

フィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルト(1796~1866)

・1828年に起こった日本地図持ち出し事件、いわゆる「シーボルト事件」で有名なオランダ商館付きの医師シーボルトは日本の植物に興味を持ち研究を行っていました。その中でもあじさいはお気に入りで日本での妻・「お瀧さん」からとって※「ハイドランジア・オタクサ」という学名をつけて自著で紹介するほど愛着を持っていたそうです。ちなみに、シーボルトとお瀧さんの娘は日本初の女性産科医として活躍したとのこと。
※ガクアジサイ系の品種。残念ながら公式の学名にはならなかった。

アクセス

今回の取材においては神戸電鉄 「三田駅」から「北鈴蘭台駅」まで電車、「北鈴蘭台」からは森林植物園より出ている無料バスを利用して向かいました。無料バスの運行スケジュールにつきましては森林植物園のホームページより時刻表を確認してみてください。

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